一般社団法人デジタルテスト推進協会 設立のご挨拶
設立の背景とこれまでの歩み
一般社団法人デジタルテスト推進協会のWebサイトをご覧いただきましてありがとうございます。当協会は、2025年7月1日に設立されましたが、今後振り返ってみると、この2025年という年は、テスト業界の歴史の中で大きな転換の年になっていることだろうと思います。
私は2000年5月に株式会社イー・コミュニケーションズを設立して以来、25年間一貫してテストと教育のデジタル化に取り組んできました。その間、一部の先鋭的な取り組みに前向きな企業・団体は、デジタル化による効率性やデジタルでしか出来ない最先端の手法を取り入れて発展してきました。しかし、欧米のテストや教育がデジタル化で恩恵を受けていくのを横目に、日本の試験業界・教育業界は従来型のアナログな方式からなかなか転換することが出来ずにいました。これは日本やアジアの文化に、「テストは同時に一斉に同じ場所に集まり、同じテスト問題で受けるのが公平である」という考え方が根強く残っていることによるものだと考えています。
デジタル化の転機と技術革新
そんな中、2020年にコロナが発生し、同じ場所に集まり一斉にテストを受けることが三密だと言われ、国家資格等の試験が中止になったことから、オンライン試験への転換検討が徐々に行われるようになってきました。
そして2024年にはデジタル庁主導でマイナンバーカードによる国家資格のデジタル化・オンライン化の方針が発表されたのに伴い、現在様々なテストや法定講習のデジタル化の気運が高まってきています。また集団不正受験等一斉に会場に集まって受験することの隙をついた犯罪が起こり、経歴詐称等証明書の正当性への疑義が生じており、これらへの対策にデジタル技術を活用していくことも考えなければなりません。
一方で、AI技術やプロックチェーン等の本人認証技術の急激な成長により、問題作成・採点、本人確認手続き等にこれまでとは比べられないくらいの利便性を享受できる可能性が出てきています。
協会設立の目的と今後の活動
これらのデジタル化の時代要請や技術発展の状況を鑑みて、この度「テストと教育のデジタル化を推進していく」ためのビジョンを掲げた業界団体を設立する運びとなりました。
幸いなことに、立ち上げにあたり、この業界のTOPプレーヤーの方々に賛同いただき、当協会にご参加いただくことができました。
今後の予定としては、2025年10月にデジタルテスト白書を発刊し、10月24日には当協会の設立記念セミナーを開催します。このセミナーには、文部科学省やデジタル庁、電気通信大学の植野教授にもご登壇いただき国内の最新動向を共有しながらデジタルテストの未来像をディスカッションします。その後、2025年11月26日にAsia-ATPとの共催セミナーを企画しています。この共催セミナーでは海外のデジタルテスト最新事例をお届けできればと考えております。
このように、日本の試験業界・教育業界のデジタル化を推進していくための様々な方策をご提案してまいりますので、ご興味をもたれた方は是非ともお問い合わせいただければ幸いです。


